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平成20年定例句会
開催日 課  題 佳吟賞 秀句賞
12月 12月16日  予 断 熊 本 松 岡
11月 11月18日  迎える 井 上 熊 本
10月 10月21日  勝 負 重 本 萩 田
9月 9月24日  感じる 川 井
8月 8月19日  癒す・癒し 重 本 な し
7月 7月22日  記 録 川 井 な し
6月 6月24日  守る 重 本 な し
5月 5月27日  入る・出る 松 岡 な し
4月 4月22日  世 間 川 井 重 本
3月 3月25日  我儘・身勝手 重 本 松 岡
2月 2月26日  休み・休む 休会
1月 1月22日  整理又は整頓 井上 萩田












12月句会模様


平成20年12月16日 佳吟賞  熊 本
課 題 予 断 秀句賞  松 岡
いよいよ平成20年最後の例会となった。今年は「変」の文字で象徴される年であったが、なんといってもアメリカ発で始まった大恐慌であろう。

今月の題「予断」大変難しい題で、一同苦吟したようであったがそこは練達の諸氏、見事な句が披露され、最高点句を含め出句3句とも高得点を獲得した熊本君が見事佳吟賞を獲得、また秀句賞は同じく課題句を見事にこなした松岡君が獲得して今年の掉尾を飾った。
課題句 人間の予断を神が打ち壊し 井 上
支持率が下がり選挙が見えてこず 川 井
よき老後の予断一転大不況 熊 本
開票率ゼロで当確出すテレビ 重 本
食品の安全予断を許さぬ偽装品 萩 田
週刊誌予断憶測やらせ記事 松 岡 
自由句 共白髪あれそれこれでわかり合い 井 上
流行語知らぬ言葉が並んでる
作曲家逝き昭和は更に遠くなり
今 村
焼芋の臭いただよう駅頭に
励ましを与えた人が先に逝く
大 石
産めぬ病院少子化対策ままならず 川 井
物忘れ笑って話すうちが華
OB会部長今でも部長づら
熊 本
剪定の鋏の先で道教え
野球でしょう否(いや)さ大麻の早慶戦
外れそうで啖呵も切れぬ総入歯 重 本
達筆と言われ筆とり賀状書き 萩 田
政治家の放言ちらり本音見え 松 岡

           
課題吟「予断」
会員感想:「予断」は難しい題。「予断」を入れないと課題から離れすぎ、入れると状況にピッタリこないるきらいがある
  
「予断」を旨く処理した句
よき老後の予断一転大不況
週刊誌予断憶測やらせ記事
1句:アメリカは本当に迷惑な国、ささやかな年金と配当・利子でゆっくり老後を暮らそうと思ったのに(作者)→皆同感です
2句:「予断」を単なる単語にして軽く処理・見事→広告を中吊りや新聞広告で見ています
「予断」に近い?
金融危機想定外に青吐息    「青吐息」は造語過ぎるか? 青息吐息では字余りになるし・・・・
「予断」から離れすぎ?
支持率が下がり選挙が見えてこず
孫が総理なって危ない自民党
開票率ゼロで当確出すテレビ
これらは「予断」でなく「予想」「想像」「見込み」ではないか
  
「予断」のこなれがやや悪いか?
人間の予断を神が打ち壊し
食品の安全予断を許さぬ偽装品
八百長と予断許さぬ大相撲
2句:元句の「加工品」を「偽装品」に訂正
   
「自由吟」
流行語知らぬ言葉が並んでる
作曲家逝き昭和は更に遠くなり
元句は「流行語大賞」、あまりにも長すぎる→大賞を削除。
どんどん古い人間になりつつあります
産めぬ病院少子化対策ままならず 同感、」人口を増やすのは大変です
八十はあと二十年の通過点 意気は壮賭するに足るもちょっと大き過ぎないか? 取り敢えず卒寿か
物忘れ笑って話すうちが華
共白髪あれそれこれでわかり合い
外れそうで啖呵も切れぬ総入歯
1句:ついでに喧嘩も入れればなお可
2句:耳も遠くなることだし
3句:@朝鮮飴を噛むなA大声を出して叱るな(作者注:友の教訓とか)
剪定の鋏の先で道教え 左手は脚立をしっかり掴んでいるのでつい・・・・
焼芋の臭いただよう駅頭に
励ましを与えた人が先に逝く
1句:「匂い」ではないか」
2句:「呉れた」とすると良くなるのでは
不況なんぞ戦後を耐えた年の功
円高で韓国ツアーまく安く
OB会景気談義に華が咲き
本当にアメリカ発の金融危機には腹が立つ。海外旅行には行かないから、社会不安の方に気がとられる
政治家の放言ちらり本音見え 選挙が近いせいかいろいろ放言しているようです
野球でしょう否さ(いやさ)大麻の早慶戦 情けない国になったものだ
OB会部長今でも部長づら そうならないよう注意しましょう
達筆と言われ筆とり賀状書く パソコンの年賀状でもいろいろ工夫しています(弁解)







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11月句会模様


平成20年11月18日 佳吟賞  井 上
課 題 迎える 秀句賞  熊 本
立冬を過ぎ日本列島はすっかり冬模様となった。今月はこの句会に大きな変化が二つあった。
@大石喜太郎君が参加。ただし行動が不自由なのでファックスで参加。減る一方だった句会に明るい灯が灯った
A句会(及び拡大世話人会)を従来の第4火曜から1週間繰り上げて第3火曜となった

年のせいか題「迎える」については「あの世からのお迎え」を連想させる句の印象が強かった気がする

 結果は井上君が今年2回目の佳吟賞を獲得、秀句賞は熊本君が獲得した。

例月の寸評はホームページの編集子が先月に続き体調不良でで欠席したので休載した。
課題句 よく来たとKDを迎える観武台 井 上
白鳥が寒さを連れてやって来た 今 村
客迎え笑顔大事と若女将 川 井
お迎えは暫く待てと友の通夜 熊 本
八十迎え皺もほころぶ同期会
荘厳さに打たれおろがむ御来光 重 本
石油ストーブ電気に換えて冬迎え 萩 田
お迎えはピンピンコロリと願いたし 松 岡
自由句 晩酌は欠かさず元気に医者通い
紅葉の伊吹と語る汽車の窓
井 上
隠居にも同じ勤労感謝の日 今 村
傘寿とはお若いですねと卒寿云う
ハーモニカ奏でる音色若き日が
大 石
文化勲章川柳作家田辺女史 川 井
    鈍感力ボケと区別がつけられぬ 熊 本
あの頃は仕事が趣味と言ったもの
月一度安堵を探す医者通い 重 本
レジ袋にどんぐり拾う帰り道 萩 田
浮かれてる時ではないぞアメリカよ 松 岡













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10月句会模様


平成20年10月21日 佳吟賞  重 本
課 題 勝 負 秀句賞  萩 田
秋たけなわとなり、あちこちで紅葉狩りが報ぜられている。

今月の題は「勝負」は直ぐ碁・将棋・マージャンの勝負を連想するが意外と相打ちが少ない出句となった。
 結果は重本君が今年4回目の佳吟賞を獲得、秀句賞はパラリンピックをうまく捉えた萩田君が獲得した

例月の寸評はホームページの編集子が風邪気味で欠席したので休載した。
課題句 必勝の気迫でずばりストレート 井 上
負け将棋もう一局と限がなし 今 村
勝たんがため心技礼失(う)す大相撲
減らず口も勝負の内とへぼ将棋 重 本
パラリンピック勝負はなれて応援し 萩 田
一郎が太郎に挑む総理の座 松 岡
自由句 数々の記録残して猛暑去り 井 上
継続はノーベル賞へ続く道 今 村
長袖とお湯割りに変えやっと秋
クラゲでもノーベル賞の光りだす
川 井
    好きなことだけやってノーベル賞
一回も着ないポロシャツ又しまい
熊 本
蟹工船赤いブームに誘い寄せ
よく耐えたお互い様で金婚日
汚染米つい農政の尻が割れ
重 本
コスモス祭秋の香りを摘みに行く 萩 田
新老人増えて若やぐ敬老会 松 岡







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9月句会模様


平成20年9月24日 佳吟賞  榊
課 題 感じる 秀句賞  川 井
彼岸の中日も過ぎ、酷暑の夏から待ち侘びた秋がやって来た。

句会の先立って佳吟賞獲得者以外に付与する秀句賞の付与規則を以下のように一部改定した。
従来:当該句が佳吟賞の中の最高得点句と同じかこれを超える得点の句
改訂:〃 〃 が佳吟賞の中の最高得点句と同じかこれを超える得点の句
    または5点以上得点の句
この改訂は8月に遡って実施する。

今月の題は「感じる」であったが、今年の酷暑のせいか待ち侘びた秋の到来に着目した句が多く相撃ちの状況であった。

この状況をうまくかわして榊君が佳吟賞を獲得、また相撃ちの中でも季節感をうまく捉えた川井君が秀句賞を獲得した。

課題句 待ちに待った秋を感じる朝の風 井 上
待ち侘びた涼風渡り秋の色 今 村
季節感狂いたびたび衣更え 川 井
見飽きてる鏡の顔に年感じ
空しさを感じる総理辞任劇 重本
ゲリラ豪雨過ぎて秋知る虫の声 萩 田
朝シャワー冷気感じて秋を知る 松 岡
自由句 仏様より自分の好きな菓子供え 井 上
赤色の五輪が終わりホッとする 今 村
仏様より自分の好きな菓子供え 川 井
    柔道は組むがJUDO飛び廻り
イチローも松坂も出ず五輪負け
熊 本
スポーツが国旗国歌を宣揚し
事故米のニュースに慌てラベル追う
撫ぜながら年輪だよと笑い皺 重 本
秋刀魚焼く煙で暑い夏も行き 萩 田 
運動会齧って見せる金メダル 松 岡

     
課題吟「感じる」
感じる→秋の到来 
待ち侘びた涼風渡り秋の色
待ちに待った秋を感じる朝の風
朝シャワー冷気感じて秋を知る
ゲリラ豪雨過ぎて秋知る虫の声
   感じる=秋の到来の型
季節感狂いたびたび衣更え 同じ秋への着目であるが類型を避けた着眼で秀句賞受賞の原動力
この秋の入り口は温度の慈雨下が激しく着る物に苦労した
見飽きてる鏡の顔に年感じ 本当に年寄り顔になってきたと一同同感。佳吟賞受賞の原動力の句
空しさを感じる総理辞任劇 二代続いて突然の辞任劇、もっと張り合って刀折れや尽きて辞めて欲しかった
政治資金22億の小沢悪? 個人名をだすとギラギラし過ぎるのでは。22億は政治資金だったか選挙用バラ撒きの合計だったか
        
自由吟   
スポーツが国旗国歌を宣揚し きちんと国旗掲揚し国歌を歌うのがスポーツだけとは情けない
仏様より自分の好きな菓子供え お下がりを頂く所まで深慮遠謀か?
不正教師へ僕のアカ点クロにして 先生も先生なら生徒も生徒
うだる日が続き了解温暖化 最近何かというと温暖化と結びつけつるが、酷暑が続くと同じく温暖化と・・・・
柔道は組むがJUDO飛び廻り 国際化の果ては、綺麗な形の柔道が阿漕な形のレスリング型へ変化。そのうち相撲もと心配
役人は毒米売って知らぬ顔 次官は国会答弁のよう逃げようとしたが庶民は許さないぞ!!
避難勧告メールでも来る周到さ 作者の町は屋外一斉放送に加えて登録者へはメールでも連絡があるとか、念が入っている
バス停の大合唱は虫の声 郊外・田舎暮らしの実感
イチローも松坂も出ず五輪負け 本当にそう思った。しかし指揮者が悪いと矢張り駄目かも
若い社長に若いと言われ老いを知る 作者の独り言:「老いを知る」より「年を知る」のほうがよかったかも・・・・
秋刀魚焼く煙で暑い夏も行き 食欲をそそる煙が暑かった夏を忘れさせますね
事故米のニュースに慌てラベル追う 我々が拡大世話人会で愛飲している焼酎とて安心できないとは
撫ぜながら年輪だよと笑い皺 綺麗な模様の年輪と違い不規則に入るのが難点。佳吟賞の「見飽きてる鏡の・・・・」と似通っている
運動会齧って見せる金メダル 多分手作りの」金メダルだろう・・・ほほ笑ましい
オリンピックの齧る風習は見苦しいですね
万歩計と電話で防ぐ認知症 予防に万歩計は判るが電話は? 長話か? 
赤色の五輪が終わりホッとする 何もかもケバケバしく、騒がしいオリンピックでした

       










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8月句会模様


平成20年8月19日 佳吟賞  重 本
課 題 癒す・癒し 秀句賞  該当なし
北京五輪真っ盛り、また立秋は過ぎたのに連日猛暑が続いている。

今月は在京メンバーは井上が欠席の4名となった。句会の開始前に川井宗匠から、先日完成した合同句集(三)の同人あての報告が以下のように報告された。
 
 「このたび三年振りに川柳集を上梓できましたことは、同人各位の並々ならぬご尽力の賜物であり、老後を記念するものとして誠に喜ばしく思います。
 共通献本さきからもご丁寧な礼状の数々を頂いております。書簡(4通)、はがき(3通)などです。また、「たちばな」68号にも紹介されます。
 『継続は力、長年の努力に感服』(西宮さん)、『諸君の名句を拝読、夜の更けるのも忘れる程』(河合さん)、『心に真っ直ぐに入り仲間同士で楽しいことと拝見』(義江夫人)、『主人に話しかけお供えをして拝見、お上手で生き生きしている感じ』(元偕行社川柳主宰・故石井清勝夫人)など。その他を割愛しますが、大変好評でした。(以下省略)」

本日の宿題「癒す・癒し」。課題の言葉を直接入れたくなくてもどうしても使ってしまう厄介な題であった。

今北京五輪の真っ最中、続々世界記録が生まれているが、我等の句会でも今回、重本君が「重油スト魚はほっと骨休め」の句で満票(7票)を獲得、川柳会始まって以来の快挙となった。この勢いで重本君が佳吟賞を獲得し、秀句賞は該当なしとなった。
課題句 何よりも猛暑を癒す金メダル 井 上
葉の繁る朝顔棚に風通る 今 村
戦中派の靖国参り癒やされる 川 井
愚痴聞くのも癒し処方と老医言う
平凡がいいな癒しのエコライフ 重 本
雷雨やみしばしの虹が気を癒し 萩 田
自由句 買い得も知ってガックリ産地名 井 上
雷一発沛然と降る爽快さ 今 村
ついに介護も外国人が肩代わり 川 井
    子メダカに餌をやるのに三十分
信州の星見るツアー曇り空
熊 本
句が浮かぶメモ紙探して何だっけ
原爆忌あと幾度ぞ弔える
重油スト魚はほっと骨休め
重 本
大輪の朝顔日毎咲き競い 萩 田
ここへ来て米は物価の優等生
結局は投手力だね甲子園
松 岡




課題吟「癒す・癒し」
平凡がいいな癒しのエコライフ 一言で言えば昔に返った素朴な暮らしか。どの程度素朴になれるか
葉の繁る朝顔棚に風通る 学校でもゴーヤの棚で気温を下げる試みが盛ん
雷雨やみしばしの虹が気を癒し 下5の「気を癒し」の表現が気に掛かる
戦中派の靖国参り癒やされる 癒されるのは英霊かお参りする戦中派の人か? 作者はお参りする人とのこと
「元気だよ」から始まるは孫メール 嬉しい孫のメール。メールは女の子でもブッキラボーが多いとか。「元気だよ」を生かしてもう少し滑らかさが欲しい
愚痴聞くのも癒し処方と老医言う とかく高齢者患者はくどくど述べるの多いそうだ。これで直ったような気になるとか、医者は我慢強いことが必須。
猛暑日に癒し求めて繁盛亭 繁盛亭? 固有名詞? 繁盛している店? 何れにせよ癒しとの関係が判り難い
何よりも猛暑を癒す金メダル 自分の国の金はいいが、そうでない国の金はいらいらする
           
自由吟      
東洋史の授業懐かしオリンピア 判り難い。本人の説明によれば「開会式のショーで中国五千年の歴史中のいろいろな人が出てきたのに連想した句で、オリンピアといったのはまずかった」
ここへ来て米は物価の優等生 今まで優等生は「卵」だったがついに値上げ。米と選手交代
雷一発沛然と降る爽快さ 猛暑・干天の慈雨。誠に爽快
子メダカに餌をやるのに三十分 小さいメダカのこの口は当然小さいだろう。気の長い話。本人のメモによればは掃除をうっちゃらかして餌をやっているようだ。(通によればゆで卵の餌を準備するのに30分掛かるという情景にも取れると)
原爆忌あと幾度ぞ弔える 被災者、遺族も高齢化。この句は最後のお別れ夏期休暇で遥か彼方の広島方向で閃光と爆音を作者が聞いたとか
五輪後はチャイナバブルが崩れてそう 無理をした付けが噴出しそう
大鯰寝返りをうつ熱帯夜 そういえば先日の熱帯夜に強い地震があった。あれは大鯰の寝返りか
句が浮かぶメモ紙探して何だっけ すべてが連結してスムーズに完結しなくなった。そういえ我が同人にはこの現象を嘆く句が多い
重油スト魚はほっと骨休め 満票(本人を除いて7票)。
少なくなって来た海の資源のためには役立ったか
金メダル言葉にならぬインタビュー 新記録で金の本人は暫く絶句して声がかなった感動の場面。中7は「涙で絶句」の方が良かったか
買い得も知ってガックリ産地名 安いといって飛び付くと後でガックリする世故い世の中になった
大輪の朝顔日毎咲き競い 毎朝楽しみ。今年は暑いせいか育ちが良いと
信州の星見るツアー曇り空 残念でした。信州に旅行したことが直ぐ分る
ついに介護も外国人が肩代わり 背に腹は代えられなくなったか。難しい社会問題
結局は投手力だね甲子園 いやいや優勝校は加えて打撃力もありました
日の国で空気満タン北京入り 着眼点は分るが。表現に一工夫欲しい










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7月句会模様


平成20年7月22日 佳吟賞  川 井
課 題 記 録 秀句賞  該当なし
東京地方もどうやらけじめがはっきりしないまま梅雨が明けた。

今月は在京メンバーは萩田君が欠席の4名となった。句会の開始前に先日完成会員に発送した合同句集(三)の後の事務処理状況が川井宗匠から報告された。
献本した方々のうち、前田生徒監夫人からはお礼の電話があり、古屋生徒監夫人、義江生徒監夫人からは達筆の礼状が届いた。近く各人宛の分担費用の請求通知を出す予定。

本日の宿題「記録」は、水泳水着で世界新記録が生まれたことで類型句が3句、また物忘れを嘆く諸兄がメモに頼る状況の類型句が2句と集中した。しかし後者のほうが実感が強いと見えて高得点となった。

楽しく鑑賞した結果、佳吟賞は川井君が今年2回目の獲得、また秀句賞賞は該当なしとなった。
課題句 選手より水着が作る新記録 井 上
父の日記几帳面だが読めない字 今 村
メモをして健忘症を防いでる 川 井
記録してそれを探して小半日 熊 本
良いのかな水着次第の新記録 重 本
咲いた記録見ながら次の花育て 萩 田 
自由句 何のその三人乗りで母強し 井 上
正義といい鯨を盗むGPO 今 村
一色産うなぎ疑う土用の日
暑いけど暑中見舞いはとんと来ず
川 井
    老いたりと思うが伸びるひげと爪 熊 本
高僧の経は短く布施多し
電化機器怖くなるよな注意書
時の経つ早さに老いを託つ日々 重 本
雨の山見上げて偲ぶ震災地 萩 田
小気味よいピリ辛評は北の富士
造影を見つめる医師の視線追う
松 岡




課題吟「記 録」
エンドレス米の憲法著作権 「意味が分からない」の意見多し。本人の説明「マッカーサーの憲法は何時まで守るのか、著作権法で何時までも守られているようにと」(この句は失敗と呟く)
父の日記几帳面だが読めない字 小型手帳の陣中日記。几帳面にびっしり細字で書いてある。惜しむらくは癖が強い字で読めない
咲いた記録見ながら次の花育て 花好きでこまめな作者が目に浮かぶ
   
課題・自由を超えて同じテーマの句  
良いのかな水着次第の新記録
選手より水着が作る新記録
新記録水着に頼る不甲斐なさ
独りで着脱出来ないような水着は邪道ではないか、何処か引っかかる。あるスポーツ評論家が「これはある意味のドーピングではないか」と。どの句も皆新記録万歳と言い切れない思いが滲み出ている。
(3句)表現がややピリッとしているかなぁ
メモをして健忘症を防いでる
記録してそれを探して小半日
メモをしたら確かかな? メモ自体のしまい場所を忘れる・・・ どちらも当てにならない
  
自由吟
面白い顔で篤姫気に入った 特別の美人でなく愛嬌があるところよし。最近の大河ドラマでは一番の高視聴率とか
一色産うなぎ疑う土用の日 素直にうなぎ万歳が言えなくなった世の中
雨やんで花に溜まった水を取り 花をいたわる気持ちは分かるが少し平凡では
高僧の経は短く布施多し 原句:高僧は経短くて布施多い:短くて、多いは冗長性が多い→座五も文語体で簡潔にした方がいい。
討論(寄ってたかって)の結果左記に修正(本人了解)
世のみだれこれも政治の無策から 批判すべき事項は複雑、これでは単なる批判で平凡では
老いたりと思うが伸びるひげと爪   本当に不思議にひげと爪は元気によく伸びる
庶民らの穢れ積み上げ大祓え 年末大晦日と6月晦日は半年分の厄払い。庶民は祓うべき穢れが山ほどある見たいです。この行事知らない人も多い
小気味よいピリ辛評は北の富士 時には厳しい・・・、特に弟子筋や引き技に対して
時の経つ早さに老いを託つ日々 全員同感!! 
雨の山見上げて偲ぶ震災地 たまたま見かけた雨が降る山を見ての所感と思うが、訴える力が弱いのでは
正義といい鯨を盗むGPO GPOも一人よがりもいい所。その判断回路は欠陥?
何のその三人乗りで母強し この7月から道路交通法違反。でも二人の子の母は三人乗りしないと暮らして行けない
電化機器怖くなるよな注意書 製造物責任法とかで事故の責任回避に備えて、説明書の初めに盛り沢山の注意事項が書いてある
値上げラッシュやめたいサプリきめられず 一体この人はどれだけのサプリを飲んでいるのだろう。多分奥さんの言いなりに。それにしても長い川柳、句集編集者泣かせ
暑いけど暑中見舞いはとんと来ず 嘆くこの人は暑中見舞いを出しているのだろうか? 出さなきゃ来ないよ
造影を見つめる医師の視線追う 先生がなんと言うか固唾を飲み込む一瞬。「造影」の用語はちょっとぎこちない。「画像」(以前ならフィルム)ではないか











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6月句会模様


平成20年6月24日 佳吟賞  重 本
課 題 守 る 秀句賞  該当なし
ここのところ各地で豪雨となったり不順な天気が続いており、また東京地方も雨が続いていたがいたが、この日は一日中雨が降らない幸運に恵まれた。

今月は在京メンバー全員が顔を揃えて充実感に溢れた句会となった。また句会前に発行を決めた合同句集(三)のほぼ出来上がった版下が披露された。見出しなどのフォントや大きさについて意見があり、もう少し工夫してみることになった。完成は当初見込みより早まり来7月の定例句会までには出来上がる見込みとなった。

何時ものことながら本日の宿題「守る」に関連して、句が国防・国の政治・社会情勢となると、議論白熱、時間の都合上議事打ち切り次へ!となる。
今回からこの寸評に役立てるためFax投句の諸兄の感想を、川井宗匠から貰って帰ることにした。奮って名寸評をつけて投句・選句をお願いしたい。

楽しく鑑賞した結果、佳吟賞は重本君が今年2回目の獲得、秀句賞賞は該当なしとなった。
課題句 血も汗も流す覚悟が国守る 井 上
遠足の孫の土産は守り札 今 村
守らぬは朝令暮改のなたさま 川 井
まだこりず高いお守り買っている 熊 本
手引書に則って申告損したよう
覚めた目が見守る国のまつりごと 重 本
輸出入為替相場とにらめっこ 萩 田
人の名がすらすらと出ぬ老い仲間 松 岡
自由句 身の廻り百均物で用が足り 井 上
ミャンマーを援ける方がお願いし 今 村
地震禍の神のいたずら嘆く人 川 井
    審議拒否それでも歳費ちゃんととり 熊 本
たかが水着されど水着の競泳界
後期制度国の本音が透けて見え
野暮用のついでに来たという見舞
重 本
きぼう完成世界に披露ハイビジョン 萩 田
老猫と欠伸ごっこの昼さがり 松 岡




課題吟「入る・出る」
北辺の守りアッツに玉砕す   冒頭襟を正す。平和ボケでしばらく忘れていて申し訳ない気持ちで一杯
手引書に則って申告損したよう 元々貰うものが少ないのだから税金も少ない。でも何とかならないかと足掻いて見たくなる
遠足の孫の土産は守り札 孫の修学旅行、遠足で爺婆に小遣いをはたいて土産を買ってきてくれるのが嬉しい。定番はお守り、キーホルダーだったが最近は携帯ストラップが加わった、
台風にまず鉢植えを家に入れ 園芸家は一つひとつの鉢に思い入れが篭っている。この作業は玄関の広さが問題になるそうだ
まだこりず高いお守り買っている 効き目・ご利益がないのは判っていても、参拝の習慣でつい買ってしまう
血も汗も流す覚悟が国守る イラク以来実感として考えるようになったか
  
課題・自由を超えて同類テーマの句
守らぬは朝令暮改のなたさま
覚めた目が見守る国のまつりごと
審議拒否それでも歳費ちゃんととり
後期制度国の本音が透けて見え
小泉の半端遺産に福田泣き
国民はだんだん判ってきて2句のようになってきたか。これらの句の鑑賞は議論果てなく時間上打ち切り、次へ
地震禍の神のいたずら嘆く人
歩行者天国(ほこてん)が地獄と化す秋葉原
天災で痛ましい思いなのに人災を起こす馬鹿が居る
    
自由吟
高見盛襲う悲しみ負け相撲 勝ったとき負けたときの態度の落差が大きい。相撲名物だが川柳にするのは結構難しい
身の廻り百均物で用が足り  本当にいろいろなものが揃っている。最近は\200均一の高級品?もあるそうだ
老猫と欠伸ごっこの昼さがり 老猫でなく老妻でも面白かったと言う人あり
自動ドア誰何もせずに迎い入れ こんな無用心なマンションもあり気になる
散歩する犬にも会釈雨上がり 長年にわたり散歩で会う犬、つれて歩く飼い主より犬のほうをよく覚えている
気が付いて直ぐにやらねば直ぐ忘れ 同感!! 酷いときは思いついて言いに行く途中で忘れる。遠隔地より「同感。わたくしもそのように心掛けています」と。
きぼう完成世界に披露ハイビジョン 投句者によれば地デジ・ハイビジョンの威力とか。何時買うか思案中
ミャンマーを援ける方がお願いし 独裁国のほうが、年中ごたごたしている日本などより一見国情が安定しているように見えるのが不思議
野暮用のついでに来たという見舞 病人から何もいってこないので見舞を遠慮していたが、心配でつい来てしまったと言訳した。親しい人への言葉
目上の人には良く考えて使わないと問題の言い方か
たかが水着されど水着の競泳界 何時本人がこんなに違うのが不思議。あるコメンテーターが水泳のドーピング見たいなもの(邪道)と言っていた。
片方が只我慢して続く仲 この作者らしい表現
  

















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5月句会模様


平成20年5月27日 佳吟賞  松 岡
課 題 入る・出る 秀句賞  該当なし

ここのところ晴れて暑かったり、台風4号に刺激された前線の影響で豪雨となったり不順な天気が続いていたが、当日は久しぶりに好天気に恵まれた。

今月は在京メンバーが久しぶりに全員が顔を揃えて充実感に溢れた句会となった。また句会前にいったん中止を決めた合同句集(三)を何とか発行しようという提案があり、川井君の負荷を軽減するため作業の一部の版下作成を今村・萩田が肩代わりして発刊することになった。6月15日までに各人の自選句を集め作業に移ることになった。またここのところ体調不良で句会を休んでいる尾崎君も欠席するまでの句が相当数あるので、榊君が窓口となって本人の希望を聞きエントリーすることにした。

句集発行が決まり一同うきうきした気分で句会は進行。今回は課題/自由を乗り越えて同じ句材が多かった。例:高齢者医療保険、傘寿を迎えて、北京五輪と大地震

佳吟賞は10点を集めた松岡君が獲得、秀句賞賞は該当なしとなった。
課題句 政界がもぞもぞ出入り動き出し 今 村
だしぬけに後期といわれ出る怒り 熊 本
入り一指出は十指でもまだ足らぬ
輸出入為替相場とにらめっこ 萩 田
人の名がすらすらと出ぬ老い仲間 松 岡
自由句 聖火リレーの傲慢怒る大鯰
九条で抜かれた骨を入れ直せ
井 上
今晩も年齢を重ねた歯を磨き 今村 耕一
後期高齢者もう通ぜぬぞ国のため
五輪聖火行く先々で火を消され
川 井
    株安に困った顔をしてみせる 熊 本
折り込みを抱え朝刊メタボ腹 榊  龍雄
後期なぞと命を差別する政治
蕗の薹人生に似てほろ苦し
重 本
新緑の森で声追うほととぎす 萩 田
時代劇ヒーローになる一時間
母の日に母の行き歳数えおり
松 岡




課題吟「入る・出る」
春雷が連休呆けに喝を入れ よく考えたら春雷はわれわれ何時も連休のわが世代への警鐘か
人の名がすらすらと出ぬ老い仲間 同感。あまりにもぴったり過ぎると感想しきり
輸出入為替相場とにらめっこ 昔取った杵柄、つい相場が気になる
ついでにアラブのしたたかさ、マネーゲームの投機など腹の立つと・・・議論拡散し打ち切り次へ
入り一指出は十指でもまだ足らぬ 収入は年金だけ。出るほうは次々と押し掛ける
低金利長居無用と出る預金 本当は金利に関係なく貯金は減って行く
政界がもぞもぞ出入り動き出し この動きは動物的嗅覚によるらしい
      
課題・自由を超えて同じテーマの句
だしぬけに後期といわれ出る怒り
後期高齢者もう通ぜぬぞ国のため
後期なぞと命を差別する政治
高齢者が増えるので医療保険に措置が必要は分かる。しかし名前、年金からの天引きなどやり方等々気に食わぬ。議論果てなく時間上打ち切り、次へ
わが人生八十路の坂の入り口へ
不器用に馬齢重ねて八十年
喜寿の句集はついこの間だったのに、早や傘寿か
聖火リレーの傲慢怒る大鯰
五輪聖火行く先々で火を消され
世界中を掻き回したリレーへお灸か。それにしては酷いお灸だなあ
  
自由吟
新緑の森で声追うほととぎす 賑やかに「トウキョウトッキョ・・・」と鳴いている。近くに自然環境あり
今晩も年齢を重ねた歯を磨き    この歳では残った歯はお宝。80歳で20本以上を
時代劇ヒーローになる一時間 時代劇は見ないという向きもあるが、大好き党も多い。一流作家のしっかりした原作は特にいい(駄作もあるが)
知事代わり急に貧乏大阪府 あの知事のお陰でやっと気が付いた
ダイエットのガソリン酷くリバウンド 分かり難いとの評。例えば次のように訂正すれば如何。
値下げしたガソリン酷く跳ね返り
蕗の薹人生に似てほろ苦し あまり川柳らしくない。「似て」は弱めるとの評あり
九条で抜かれた骨を入れ直せ これも腹の立つ世相へのご意見
折り込みを抱え朝刊メタボ腹 人間ばかりか新聞も資源を無駄遣いしてメダボで膨らんでいる
母の日に母の行き歳数えおり 幾つになっても母は母、普段忘れていても節々には思い出す
皐月空農家で朝採れ野菜買い 「皐月空」は冗長、「安い」とか「新鮮」とか具体的なほうが良いのではとの評
株安に困った顔をしてみせる 株なんかなくてもある顔して会話する可笑しさ













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4月句会模様


平成20年4月22日 佳吟賞  川 井
課 題 世  間 秀句賞  重 本

春爛漫の季節も少し過ぎ、ここのところ雨風の日々が続いたが、この日は久しぶりに絶好の爽やかな日和となった。
前2月は「休み」の題通り句会も休会になってしまい、今回は久しぶりの句会であったが、1名欠席で川井宗匠の体調もやや不調、シャッキとしない会になってしまった。

今回の課題「世間」は、何でもないようだが句にするには意外と難しいという感想であった。
今回は体調やや不良という川井宗匠が善戦し見事か佳吟賞を、秀句賞は重本君が獲得した。

合同句集(三)作成について、萩田君が中表紙案を持参若干の打ち合わせを行った。
追記:その後川井君の体調不良により句集発刊は中止することになった
課題句 スモーカー日毎世間が狭くなり 井 上
明よりは暗が賑わす世の話題 今 村
世間よりカデの付き合い優先し 川 井
世間体どんな身体と孫が問う
身勝手な政治にきつい世間の目 重 本
バスの中世間話に花が咲き 萩 田
世間とは独りでで生きていけぬとこ 松 岡
自由句 車椅子止めて見上げる花吹雪 井 上
身の回り国と地方が税で責め 今 村
食材の値上げ調理の知恵くらべ
陣取りの花より団子見て歩き
川 井
    消し忘れその時すぐに妻にばれ
訃報欄歳と病気を只眺め
熊 本
遅れて行く律儀に上座空けてあり
着膨れて炬燵で凌ぐ灯油高 重 本
入学式桜吹雪がお出迎 萩 田
春めいてようやく庭の掃除する 松 岡





課題吟「世間」
世間には鬼か蛇ばかり俺どちら   3択もあるよ。「・・俺は別」としたら如何
世間よりカデの付き合い優先し あの頃が今でも強烈に活きている
スモーカー日毎世間が狭くなり この方は世間=喫煙場所。禁煙すると広くなるのでは
世間体どんな身体と孫が問う どうやって説明しよう。それにしても世間体を気にしなくなったなあ
身勝手な政治にきつい世間の目   近頃イライラする。話題・着眼・表現すべてお見事。議論は際限なし。打ち切り次へ!
明よりは暗が賑わす世の話題 悪いニュースが多すぎる
バスの中世間話に花が咲き バスは近くの人ばかり
世間とは独りでで生きていけぬとこ 家族、近所、友・・・。我はその一員です
自由吟
着膨れて炬燵で凌ぐ灯油高 戦後はこうでしたなぁ
車椅子止めて見上げる花吹雪
入学式桜吹雪がお出迎え
絵を見るような風景です
@身の回り国と地方が税で責め
A年金がますます痩せる後期かな
B食材の値上げ調理の知恵くらべ
新年度から急に住み難い国になりました。どの句が判り易く親しみやすい句か。Bが高得点句
春めいてようやく庭の掃除する 寒さが終わったので人間も動き出します
遅れて行く律儀に上座空けてあり 遅れると(律儀でなく)自動的にこうなる
消し忘れその時すぐに妻にばれ その時直ぐでなければ誤魔化せるのに、逃れようがない状況
ぽっぽっと昔語りのサンデッキ 「ポツリ・・・」の意味ならば「ぽっぽっ」でなく「ぽつぽつ」では?
訃報欄歳と病気を只眺め あまり丹念に見ると精神衛生上悪いです
聖火リレー祝意と敵意撒き散らし
聖火には受難のつづく旅路かな
それにしても困った五輪ですなぁ。アテネから北京へ真っ直ぐ行けばよかったのに
陣取りの花より団子見て歩き 花よりこの方(他人の団子)が気になります
長老のメタボリ腹が頼もしい 着物姿なら出っ腹のほうが収まりがいい(頼もしい?)のですが、健康上は?
筍のあくを抜く技年の功 春の美味はこの技に負うところ大






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3月句会模様


平成20年3月25日 佳吟賞  重 本
課 題 整理又は整頓 秀句賞  松 岡

3月23日靖国神社の標準木が開花、東京が全国で一番早く桜が咲いた。最良のシーズンを迎えたのに風邪などで欠席もあり出席3名の淋しい句会になった。
今回は格差社会を現わしてか限られた句に投票が集中し、結果は格差句会になってしまった。
重本君がダントツで佳吟賞を、検討の松岡君が秀句賞を獲得した。

本年7月を目標に合同句集第3集を発刊することになった(各人26句)。
課題句 京都宣言米国抜けた身勝手さ 今 村
身勝手にたらい廻しの天下り 川 井
良識の府に政争を煽りたて
身勝手な親が躾けた子の気儘 重 本
我儘な犬が決めてる散歩先 萩 田
病して少し我侭言ってみる 松 岡
自由句 髭面が流行って威張る無精髭
隠す程チャイナフリーが増えて行き
井 上
北京五輪マスクを持って見に行こう 今 村
「そこのけ」の一茶もどきのあたご艦 川 井
腰重い相撲界では褒め言葉
牛はよい鯨殺すは野蛮人
熊 本
ヤレ一服愛煙家には場所もなし
年かなあだいぶまだらになる記憶
驀地(ましぐら)にみな駆け抜けたなあ昭和
重 本
少子化で豆まきできず鬼あぐら 萩 田
捨てるにはもったいないでゴミの山 松 岡













2月句会模様


平成20年2月26日 佳吟賞  休 会
課 題 休み・休む 秀句賞  
今まで休んだことのない句会だが、2月の課題「休み・休む」にあやかったのか、諸般の事情により休会になってしまった(偶然だが川柳の会らしい)。








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1月句会模様


平成20年1月22日 佳吟賞  井 上
課 題 整理又は整頓 秀句賞  萩 田

年改まり平成20年の第1回句会である。丁度大寒で東京もこの冬一番の寒さとなったが、一同「温暖化でも冬まで暖かだったら大変だ。(寒くて結構とは言わなかったが)」と痩せ我慢を張った次第。
今回は句会に引き続き同期生新年懇親会が開かれ、通常は1時間半の句会も1時間に短縮され気ぜわしい句会になった。
今回の課題「整理又は整頓」には、ほぼ全員が観武臺当時の整頓棚を連想したようだ。
バッティングを考えて違うところに着眼した者が有利だったようだ。
このような混戦を潜り抜け手馴れた手法で井上君が佳吟賞を、初詣で忠魂碑にもお参りした萩田君が同感を得て秀句賞を獲得した。
課題句 アルバム整理に待ったをかける古写真 井 上
身につけた整理整頓何処へやら 今 村
軍衣袴の羊羹を積むたたみ方 川 井
捨てること苦手で整理はかどらず 熊 本
思い出が邪魔で進まぬフォト整理
みな去(い)んでおせち料理は爺と婆 重 本
春の花楽しみながら枝整理 萩 田 
新入生整頓棚で汗をかき 松 岡
自由句 スローライフ先ずは朝寝が事始め
ナツメロに忘れた日々が蘇る
井 上 
年賀状同じ名前が今日も来た 今 村
少子化も今年ばかりはねずみ算 川 井
    先輩の歪む賀状に年数え 熊 本
ためらわず優先席に座る年
灯油高意地で薪割る昭和者(もん) 重 本
初詣で忠魂碑にも手を合わせ 萩 田
仏壇の供物はいつもわが好み 松 岡






課題吟「整理又は整頓」
同じ着眼句を纏めると次の2グループ(いずれも本質は面白いのだが同士討ちで損をした)
@
身につけた整理整頓何処へやら
新入生整頓棚で汗をかき
軍衣袴の羊羹を積むたたみ方

入校直後の躾週間で叩き込まれた整頓棚への収納は大変だった。これにも器用不器用、要領の良い悪いの差が出た(印象深い経験なのだが)
A
捨てること苦手で整理はかどらず
アルバム整理に待ったをかける古写真
思い出が邪魔で進まぬフォト整理

昭和生まれは勿体ないが先に立ち、特に写真は1枚ごとに思い出が詰まって捨てがたい
   
同士討ちをうまく逃げた2句(共に3点句)
春の花楽しみながら枝整理
みな去(い)んでおせち料理は爺と婆
花作りに丹精の萩田君と、老夫婦皆同感を上手く捉えた重本君の勝利
  
  
自由吟
仏壇の供物はいつもわが好み 悟りを開いた仏もたまにも違ったお供えが欲しいのでは
正月の予報気になる花粉量 夏が猛暑だったせいとか。大変だ
年賀状同じ名前が今日も来た 一度に2通来て、当方からの賀状を見てもう1通という例があった(年のせい?)
スローライフ先ずは朝寝が事始め 寒いから特に起きにくい。これをスローライフと置き換えた老練さ、お見事
温暖化で暖と寒の差身に沁みる 暑かった反動のせいか、」寒さも一入
先輩の歪む賀状に年数え 年を取ると字が震えたり歪んだりするようだ
温暖化化粧剥げてる富士の山 霊峰富士の頂きが真っ白でないのを化粧が剥げたと上手く表現
子の歳暮飲み過ぎるなとお舌代(しただい) 注意も一言つけたお歳暮。それなら始めから酒など贈らなければいいのにとは他人の考え
少子化も今年ばかりはねずみ算 今年ばかりはねずみ算で少子化に歯止めが欲しい
老妻の御慶は逸れて長電話 「おめでとう」と一言で済むのに
ためらわず優先席に座る年 程度の差はあっても参会者一同の共感を得た
時々は聞えぬふりの夫婦仲 これも円満の一方法
ナツメロに忘れた日々が蘇る 最近の紅白は大部分が知らない歌手と曲になってしまった
遺言を早く書きなと妻が急き 一寸単刀直入ですね。本当はそうなのだが
初詣で忠魂碑にも手を合わせ 東京周辺の田園都市では集落ごとによく忠魂碑がよく見受けられる。ここの社寺も同じなのであろう。本当に手を合わせたくなる(同感!)。秀句賞句
灯油高い時で薪割る昭和者(もん) 薪を使えるところに住んでいる人が羨ましい近頃の灯油高。者をもんと読ませるところがいい




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