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種子島同期生会
H21.4.8〜9
  

―種子島からの便り (榎本 修)― 
 
   
 昨平成二十年十一月に福岡の中島君より47期有志による種子島観光を翌四月八日催行目途に計画・案内を願いたいとの連絡を受け、早速一泊二日の日程で概略を報告した。それをもとに中島君から予算を含め観光の計画を示され、現地での施行、案を任された。
 
 当初十名の参加予定が三名減となりなり参加者は 稲田(熊本)、榊(横浜)、野村(伊勢原)、中島(福岡)、山之口(えびの)、武内(福岡)と榎本の以上七名となった。先ず熊本の稲田君が四月七日夕高速船・トッピーで西之表港に到着、「美しま旅館」に案内し明日を約し別れる。

 一昨日まで天候不良で今回の計画を大変心配していたが、本八日から天候は回復し良き観光日和に恵まれそうで安心する。翌八日十一時着で来島する中島、武内、山之口、榊、野村の諸兄出迎えのためレンタカーにてドライバー牧野氏(筆者の親戚)と稲田、榎本で種子島空港に行く。皆元気で到着、共に健康を喜び合う。かっての紅顔の美少年達も傘寿を迎え共に好々爺となる。感慨無量なり。
 
 最初の目的地「宇宙センター」見学を中心とする南種子島町に向けて出発。中種子町坂井神社に立ち寄り日本一と言われる樹齢七百年余の大蘇鉄を見る。神社鳥居脇榕樹(アコウ)の大木は自然の鳥居となっている、皆自然の偉大さに見とれ感嘆一入。そこで写真一枚。南種子島上中に到着し一条食堂にて昼食をとる。元気で明るい一条の女将さんに迎えられ皆笑顔で島鯛の活き作りに舌鼓を打ちながら食事を終える。ここで観光のスケジュールについて説明、拠出会費イコール予算・決算として施することの了承を得る。(一人当二万二千円、総予算一五万四千円、予算イコール決算に従い就行することの了承を得る。)
 
 一三時二十分宇宙センターに到着、同センター職員の案内で基地を見学。一番期待していた打ち上げ塔の見学が七月の打ち上げ準備のため見学できなかったのが残念。世界一景色の良い宇宙基地だと言われているが、当初は広々とした砂浜であった竹崎射場周辺が見事な芝で緑の公園となっている、人智の素晴らしさとその努力に敬意を表する。
 
 センターの見学を終え島の最南端・門倉岬に向う。ここは一五四三年(天文十二年)南蛮船が漂着しポルトガル人により日本に初めて鉄砲が伝えられ、時の島主・種子島時堯(トキタカ)公の命により国産第一号が製造され日本の歴史が大きく変えられたゆかりの地である。今更ながら遠き先祖の偉業に心からなる賛美を送るとともに敬意を表するものである。この岬の右は東支那海、左は太平洋となり右に中国、左にアメリカを遠く望む地でもある。
 
 一転して西之表市を目指す。途中、広田遺跡(日本最初の文字「山」の字の貝符出土)を経て浜田海浜公園千座(チクラ)の岩屋に到る。波による浸食で千人の人が座れる岩屋残念ながら満潮のため見学出来ず。これより中種子町に入る。メヒルギ自生地を通り熊野海水浴場を左に見ながら増田を通過、風光明美な犬城海岸を眼下に見ながらコスモリゾート種子島ゴルフ場を右に西之表市に入る。立山、安城、現和を通過し宿泊処「美しま旅館」に到着しそれぞれ旅装を解く。
 
 

 
十八時二十分より懇親会に移る。種子島民謡保存会の皆さんにご披露を願い、皆に好評を受けたことを有難く保存会の皆さんに感謝するものである。宿の女将の伊勢えびの活作りの差し入れを有難く味合いながら若かりし時の思い出に花を咲かせ一夜を過ごすことになり皆満足の態にて床につく。
 
 翌朝(四月九日)九時「美しま」を出発、西之表市畑灌漑用ダム西京ダム、あっぽ〜らんど(ダム森林公園)を見学、清清しい景色に見とれる。  
 
 それより安納天女ヶ倉(標高230m)ハングライダー基地に至る。基地より東海岸線(太平洋)と畑灌漑地帯を一望し昂然の気を養う。これより市内に戻り種子島開発総合センター(鉄砲館)にて島の歴史、文化に接し西町井元食堂にて昼食をすませ西之表港を見学する。

 ここで高速船で帰る稲田君と別れ空港へ向かう。途中わかさ公園にて慰霊塔に詣でる。そして私が市長時代・西之表市街地の屋根の色を朱色に統一したいと相談したがただの一人の賛成も得られず、吾一人でも朱にすべしと自分の家の屋根を朱色にしたと話すと、皆がどうしてもその屋根を拝見したいとのことで、我が家の前を通る。諸兄の意見は不評でなく一応安堵したところである。
 
 種子島空港十五時三十分発、皆と別れ見送る。一末の寂しさが残る。
 傘寿を迎えた友と一泊二日の日を我が種子島で過ごし満感の思いにひたり心から嬉しく感謝するものである。共に幼少期に一つの目標に向かって寝食をともにし研鑽した二年半、良きにせよ悪しきにせよその思いは未だ消えず。ただ我が身捨てて人の為にとの念、黄泉まで持ち続けたしと。
 皆の健康を念じつつ有難う!