血潮と交えし
「血潮と交えし」は、明治37年2月10日対露宣戦布告に狂喜した東京高商生(現一ツ橋大学)が提灯行列用に作ったもので、原作名「討露の歌」は同年の一高寮歌「ウラルの彼方」(征露歌)と対応するものである。歌詞は4番まで原作を掲げ、5番は中幼生改作の現行のものとした。
(軍歌集 雄叫より)
作詩:菅 礼之助 |
作曲:一橋会音楽部 |
一 | 血潮と交えし遼東に さ迷う魂の叫び聞け 黄沙白草風吹けば 夜は戦声のなからめや 義戦の跡も早やすでに 見よ韓山の空の色 日は長白に傾きて 李氏の社稷や今いかに |
二 | 聞けコザックの矢叫びに 王道将に絶えんとす 文字同じき経典の 教えは古し孔聖の 仁の名国と亡びなば 四億の民は復た生きじ かの黎民を憐れまば 咄人道の賊を斬れ |
三 | 黒竜ひとたび血に染みて 五千の精霊鬼なりき 虐殺未だ飽かざるに またキシネーフに累死あり ザーの戦と唱えてし スラブの兵は賊なりき 神人ともに憤る 史上の罪は消ゆべしや |
四 | 万国平和を唱えてし 汝が言葉いま何処 誓いを述べし口先に 満洲の粟あたえんや ひがし扶桑に国をなす わが民族の発展は 露人を斬りて犠牲に 平和の神を祀るべし |
五 | 平和の光り麗かに 影東海に輝けば われら奮励努力して 万古不撓の基おかん 鉄火はためく戦場に 護国の運命君に待つ 行け忠勇の我が友よ 行け君国の烈丈夫 |