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婦人従軍歌


作詩:菊間(加藤)義清 
作曲:奥 好義
(当時、華族女学院教官)    
明治27年夏、赤十字社の看護婦隊が新橋駅から凛々しく出発した健気さに感激して作られたもの。
昭憲皇太后の御思召で野戦病院の看護婦たちに教えられ、広く世に伝わった。
(軍歌集 雄叫より)


メロディー

火筒の響き遠ざかる
跡には虫も声立てず
吹き立つ風は腥く
くれない染し草の色

わきて凄きは敵味方
帽子飛び去り袖ちぎれ
斃れし人の顔色は
野辺の草葉にさも似たり

やがて十字の旗を立て
天幕(てんと)を指して担い行く
天幕に待つは日の本の
仁と愛とに富む婦人

真白に細き手を伸べて
流るる血潮荒い去り
まくや包帯白妙の
衣の袖はあけにそみ


味方の兵の上のみか
言も通わぬあだまでも
いとねんごろに看護する
心の色は赤十字

あな勇ましや文明の
母という名を負い持ちて
いとねんごろに看護する
心の色は赤十字

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