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山紫に水清き

 仙台幼年で作詞されたもので、明治45年春、仙幼13期の百日祭のとき発表された。曲は一高寮歌「紫淡くたそがるる」であった。
(軍歌集 雄叫より)

作詩:小西貞治(仙幼13期)
作曲:不明
明治45年春発表

メロディー(唄入り)

山紫に水清き
七州の野に生まれたる
われら五十のこの校に
集いしことも夢なれや


燃ゆる血潮は殉国の
赤き心を示すべく
腕なる骨は日の本の
基を固むる材なれや


観よ干城の健児らよ
己が雄飛の活舞台
東にパナマの落成を
西に自覚の革命旗


さもあらばあれ若武者の
猛き心のその中に
優しきものは百日の
あと名残らるる情けかな

磐梯山の朝嵐
鬼怒の河畔の夕時雨
殷々轟々勇ましく
野山に響く砲の音

壮烈無比の演習に
玉座に近く侍りて
陪観したるそのときに
恩賜の栄に浴しけり


ああ山行かば草蒸すも
ああ海行かば水漬くとも
わが大君の辺にこそと
歌いしことも宜なれや


松風清き笠岩の
岩に砕くる波間より
暮れゆく海を眺めつつ
帰帆の艫の音に耳をかし


さざ波よする北浦の
磯に漂う藻を拾い
小石に匿るる蟹追いて
睦しことも過去の夢


ああ快なりし三星霜
学びの道に武の道に
歩み辿りし甲斐ありて
あと百日の名残かな


十一 ああ心地よやこの宴
青葉に霞む山桜
清き広瀬の川の瀬に
散りくる花を君見ずや


十二 祝えや舞えや今日の日を
ともに歌わんKDの歌
灯火赤く輝きて
剣に影の映るまで



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