「陸軍士官学校校歌」は、大正10年6月に制定・発表された。その後大幅に改訂され、大正12年3月17日に現行のものに定められた。
その後、座間への移転、朝霞における予科士官学校の拡張移設などに伴い、それぞれの所在校の実状に応じて歌詞の一部が改作して歌われた。(軍歌集 雄叫より)
作詞:寺西多美弥(36期) |
作曲:陸軍戸山学校軍楽隊 |
大正10年制定 |
一 | 太平洋の波の上 昇る朝日に照りはえて 天そそり立つ富士が峰の 永久に揺るがぬ大八洲 君の御楯と選まれて 集まり学ぶ身の幸よ |
二 | 誉れも高き楠の 深き香りを慕いつつ 鋭心みがく吾らには 見るも勇まし春ごとに 赤き心に咲き出ずる 市ヶ谷台の若桜 |
三 | 隙ゆく駒のたゆみなく 文武の道にいそしめば 土さえさくる夏の日も 手にぎる筆に花開き 星欄干の竜おどる 揮う剣に竜おどる |
四 | 戸山代々木の野嵐に 武を練る声も勇ましく 露営の夢を結びては 身を習志野の草枕 水路遥けき館山に 抜手翡翠のあざやかさ |
五 | 学びの海の幾千尋 分け入る底は深くとも 立てし心の撓みなく 努め励みて進みなば 竜の顎の玉をさえ いかで取り得ぬことやある |
六 | 思えば畏年ごとに 行幸ましつる大君の 玉歩の跡も度しげく 賤交りて皇子の 学びまししもこの庭ぞ (今も親しくおわします) 実に光栄の極みかな |
七 | いざや奮いて登らばや 困苦の岩根踏みさくみ 理想の峰に意気高く 鍛え鍛うる鉄脚の 歩ごと聞かずや誠心を 国に捧ぐるその響き |
八 | ああ山行かば草蒸すも ああ海ゆかば水漬とも など顧みんこの屍 われらを股肱とのたまいて いつくしみます大君の 深き仁慈を仰ぎては |